漸進性過負荷が原理のすべて
筋肉が大きくなり力がつくのは、前回より少しきつい仕事をしたからです。同じ重量で同じ回数を繰り返すと、体が慣れたあとは変化が止まります。重量を上げる、回数を増やす、セットを足す、休息を短くする。どの方法でも少しずつきつくしていくことがプログラムの本質です。
何キロで何回やるかの基準をまとめました。漸進性過負荷の原理、1RMを挙げずに見積もる方法、目的別の回数、頻度と休息、記録の付け方です。
筋肉が大きくなり力がつくのは、前回より少しきつい仕事をしたからです。同じ重量で同じ回数を繰り返すと、体が慣れたあとは変化が止まります。重量を上げる、回数を増やす、セットを足す、休息を短くする。どの方法でも少しずつきつくしていくことがプログラムの本質です。
1RMは1回だけ挙げられる最大重量で、トレーニング重量を決める基準になります。実際に最大を1回挙げるのは初心者には危険なので、普通は無理なく扱える重量で何回できたかから逆算します。たとえば60kgで10回がやっとなら、1RMはおよそ80kg前後と見積もれます。ただし推定式は回数が多くなるほど誤差が大きくなるので、おおむね10回以下の記録から計算する方が比較的正確です。
何を求めるかによってよく使う範囲が違います。ただし境目は明確に分かれるわけではなく、初心者はどの範囲でも伸びます。
1つの部位を週2回ほど刺激するほうが週1回より良い、というのが一般的な目安です。セット間の休息は重い重量ほど長く取ります。力を出すトレーニングなら2〜3分、筋肥大目的なら1〜2分がよくある範囲です。休息を短くしすぎると次のセットで重量を扱えず、刺激がかえって減ります。筋肉痛が強く残っている部位は、もう一日休ませるか、軽い重さで動きだけを練習する日に変えてもかまいません。
漸進的過負荷を実際に取り入れるいちばん簡単な方法は、「回数を先に、重さは後で」上げることです。たとえば8〜12回の範囲を決めたなら、最初の重さですべてのセットを12回ずつこなせるようになるまで回数を増やし、そのあと重さを一段階上げて、また8回から始めます。こうすれば、いつ重さを上げるか迷う必要がありません。そのためには記録が欠かせません。
初心者は複雑な分割より、全身を週2〜3回行うやり方が効率的です。一回に下半身・押す・引くを一種目ずつ入れれば、部位ごとに週2〜3回の刺激が入り、先ほどの目安を自然に満たせます。予定が詰まっているなら、月曜と木曜のように二日だけでも、続ければ十分に伸びます。数か月たって一回の運動時間が長くなってきたら、上半身と下半身に分けるやり方に移ることを考えてもよいでしょう。どんな組み立てでも、同じ部位を強く使ったあとは少なくとも一日以上休ませます。
筋トレでよくある失敗は、毎回限界まで追い込むこと、伸び悩むとすぐにプログラムを変えること、やりたい部位だけをやることです。毎セットもう一回も上がらなくなるまで行うと疲れがたまり次の運動の質が落ちるので、大半のセットは一、二回の余裕を残すくらいが適切です。プログラムは少なくとも数週間続けてこそ効果を判断できます。胸と腕だけをやって背中と下半身を抜くと体のバランスが崩れ、肩と腰に負担がかかります。高血圧や心臓の病気がある場合、重い重量を持つときに息を止める動きは危険なことがあるので、始める前に医療の専門家に相談してください。
最後の1〜2回でフォームが崩れるなら、その重量はまだ早いということです。特に腰を使う動作は、崩れたまま繰り返すとけがにつながります。重量を上げる速さは思ったより遅くて構いません。痛みが関節で感じられる、運動後も数日残るという場合は、重さではなくやり方の問題かもしれません。